初めての入院
病院に着いて少しずつ意識が戻ってきた私は自分が血だらけのことに気付きました。
右手の小指の肉がえぐれてその傷からの出血がひどく袖から下半身まで血液で汚れていたのです。
不思議と痛みは感じませんでした。
それよりも病院に入院するっ!私、怪我したっ!という非日常の特別感で興奮していました。
「発作のあとだから麻酔なしで縫おう」と医師が言っていた様な気がします。
病室に移り落ち着いてから携帯で友達にメールをしまくりました。
『私、指が取れちゃって入院したの、お見舞い来てね』と。
何でそんなことをしてしまったのか…もう本当に恥ずかしい限りです。メールが届いた友達も戸惑っただろうな。
それも側頭葉てんかんにまつわる精神症状だったのか。。私の性格なのか。。
今となっては、です。
一通り医師から説明を受けた母は疲れている様に見えました。
でも私は興奮しっぱなしでずっと話していたような気がします。母に
「おてんこ、救急隊員のお兄さんに、後藤さん〜って言って抱き付いてたんだよ。」
と言われました。
全く記憶にありません。
それに後藤さんなんて知り合い居ません。
思い出そうとすると、不思議な恐怖感があり思い出したくなくなります。例えられない感覚です。
後々わかったのは後藤さんは私が当時はまっていたドラマ、スイート・シーズンの椎名桔平さんの役名でした。
発作の直前まで観ていたものでした。